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[2019.03.29]

年次有給休暇の時季指定権・時季変更権

公開日 2019.4.1 あした葉経営労務研究所

●所定の要件を満たし年次有給休暇(以下、年休)の権利を取得した労働者は、その取得する時季を具体的に指定することで権利を行使する。これを「時季指定権」という。使用者は、年休を労働者の請求する時季に与えなければならないが、請求された時季に年休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる(労働基準法39条5項)。これは年休の拒否権ではなく、あくまで「時季変更権」である。

●「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かの判断について判例は、労働者の所属する事業所を基準として、①事業の規模・内容、②当該労働者の担当する仕事の内容、性質、繁閑、③代替勤務者の配置の難易、④時季を同じくして年休を請求した者の人数等諸般の事情を考慮して判断するべき(名古屋鉄道郵便局事件 名古屋高裁 平元.5.30判決)としており、代替要員を確保する努力をしないまま(弘前電報電話局事件 最高裁二小 昭62.7.10判決)あるいは、恒常的な人員不足から代替要員の確保が常に困難である(西日本ジェイアールバス事件 名古屋高裁金沢支部 平10.3.16判決)ことからなされた時季変更を違法としている。

●取得した年休をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由(白石営林署事件 最高裁二小 昭48.3.2判決)であり、請求の際に理由を付する必要はなく、虚偽の理由をもって年休を取得したとしても誠実義務に違反したものとはいえないとされている。

●労働者が所属事業場において、業務の正常な運営の阻害を目的として、全員一斉に休暇届を提出する一斉休暇闘争について、判例では「その実質は、年次休暇に名を藉りた同盟罷業にほかならない」とし、年休権の行使ではないから、当該労働者には賃金請求権が発生しないと判示している(白石営林署事件 最高裁二小 昭48.3.2判決)。

●なお、年休の時季指定については、年休の付与日数が10日以上の労働者に対し、時季を定めて5日の年休を取得させることが使用者に義務付けられている。これは労働者の時季指定権を否定したものではなく、5日分について使用者に時季指定義務を課したものである。よって労働者が自ら時季指定して5日を超えて年休を取得した場合は、使用者の時季指定義務は免れる(平30.9.7 基発0907第1号)。

(あした葉経営労務研究所 代表 本田和盛)


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