[2017.07.14]

BOOK REVIEW『日本の人事を科学する ―因果推論に基づくデータ活用―』

大湾 秀雄 著
東京大学社会科学研究所 教授 
四六判/256ページ/定価2300円+税/日本経済新聞出版社


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊





 人事は「人」の性格や能力など、計測しにくいものを扱う職種のため、「定性的だ」「勘やフィーリングに頼っている」といった指摘を受けることもあると思う。そしてそのような意見に対し、人事から定量的なエビデンスを出しにくいのも事実であろう。本書は、人事の施策や直面している課題を、人事データを用いて定量的に分析する方法を紹介することで、課題解決の糸口を探るものである。

 第1章「なぜ人事データの活用が必要か」で、著者は日本企業の人事分野のほとんどでPDCAが機能しておらず、制度改革の計画と実行はしても、内容の評価や改善策の議論に至ることは少ないと現状を述べる。その原因として、①人事の統計に関する知識が乏しいこと、②新卒一括採用をはじめとする一元的な社員管理により、経験や勘による運営でも大きな間違いに至らなかったことを挙げる。だが、今般「女性活躍推進」や「働き方改革」が進む中で、同質的な社員の集団を形成できなくなり、これまでの経験や勘が通用しなくなる以上、定量的な分析が必要になると説く。

 以降の章では「女性活躍推進」「働き方改革」「採用」「社員の定着」「中間管理職の貢献」「高齢化対応」などのテーマを取り上げ、自社での課題を統計的に分析する手法を示し、問題の所在を明らかにする。重要なのは、「どのようなデータの取り方、分析の手法が有効か」という切り口であり、例示されている分析結果がそのまま各社に当てはまるわけではない点だ。そのため、自社の問題意識を基にデータ分析を試みることで、初めて本書のノウハウが意味を持つといえよう。エビデンスに基づく分析や制度改革を進めたい人事には、ぜひ本書に目を通し、また手を動かしてみていただきたい。

 



日本の人事を科学する ―因果推論に基づくデータ活用―

内容紹介 

女性活躍支援、働き方改革、採用、管理職評価、離職対策、高齢者雇用―問題点と解決策をデータで明らかに。戦略的人事設計の必読書。

禁無断転載
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