[2017.03.10]

BOOK REVIEW『同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール』

山田 久 著
株式会社日本総合研究所 調査部長/チーフエコノミスト 
四六判/248ページ/定価1800円+税/日本経済新聞出版社 


BOOK REVIEW 
人事パーソンへオススメの新刊





 2016年12月、政府から「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表され、大きな注目を集めた。「同じような仕事をしていれば同等の賃金を支払う」という一見当たり前に思えるこの考え方が、なぜこれまで日本では成立してこなかったのか。そして、いまそれが必要とされている背景には何があり、その導入に当たってはどのようなプロセスが求められるのか。本書では歴史的な経緯や欧州諸国での実態を踏まえながら、この「同一労働同一賃金」に関する諸問題を多角的に検討する。

 本来の「同一労働同一賃金」の意義は、人権保障に基づく「ダイバーシティ・マネジメント」を基本にし、働くすべての人々がそれぞれの持つ個性を活かした能力発揮を促すために公正な報酬決定基準をつくる点にあるという。すなわち、政府が念頭にしているような「正規・非正規格差の是正」はもともと副次的な効用で、日本に「同一労働同一賃金」を望ましい形で導入するには、単なる処遇制度の見直しにとどまらず、トータルな「働き方改革」として、雇用システム全般の改革につなげていく必要があると著者は主張する。

 本編後半では、そうした「働き方改革」の具体的な方向性として、日本型雇用の根幹を残しつつも欧米型雇用の要素を取り入れた「ハイブリッド人事制度」、ライフステージに応じ働き方のタイプを柔軟に転換する「働き方ポートフォリオ」などの具体策を提示する。過去の経緯から今後の方向性までを網羅した本書は、「同一労働同一賃金」の意義と限界を考え、本物の「働き方改革」の実現を図る上で、ぜひ手に取っていただきたい一冊である。

 



同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール

内容紹介 

格差是正は可能か? 欧州の雇用実態や「ガイドライン案」を踏まえ、日本企業が取り組むべき課題をわかりやすく解説。

禁無断転載
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