セミナー、イベントレポート
労政時報カレッジ「人事労務入門講座」レポート
[2013.10.18]

経験豊かな人事パーソンに学ぼう―労政時報カレッジ「人事労務入門講座」レポート

 

東京・大阪で開催している労政時報カレッジ「人事労務入門講座」は、今年で3年目を迎えました。2013年6月12~14日に大阪で開催された本講座では、株式会社オフィスあん代表取締役の松下直子さんをメイン講師として、新任人事担当者としての基礎知識や心構えについて、講義形式だけでなく、グループワークや懇親会など人事パーソン同士の交流を通して、お互いに学び合える機会となりました。
経験豊かな人事パーソンに学ぶ『特別座談会』では、大阪いずみ市民生活協同組合 人事総務部 人事・教育グループ リーダーの久保幸雄さん、帝人株式会社 人財部 企画グループの夏井基樹さんをお迎えして、人事の先輩の立場から貴重なお話をいただきました。
 ※ご出席者の所属・役職はセミナー開催時のものです

◆人事の仕事をやっていく中で、どのような学習や勉強法をされてきましたか?


久保
:一番身になったのは、実務で仕上げなければならないテーマや課題に直面するごとに、徹底して自分で勉強したことです。
 例えば人事制度作りでもそうですが、まず社内で詳しい人に徹底して聞く。もし社内にそうした人がいなければ、社外のネットワークを使って詳しい人を探して、謙虚に教えていただく。さらに、自分で書籍を読んだり、セミナーに参加して肉付けしながら知識を自分のものにしていく、ということを繰り返してやっていました。
 そのほか、人事に必要な知識として社会保険労務士の勉強もしました。5年ほど続けて、結局、資格の取得はあきらめましたが、勉強したことはとても役立っています。

夏井:私は資格を取るための勉強や、計画を立てて人事関連業務の勉強したことは殆んどありませんが、心掛けてきたことは幾つかあります。
 例えば人事の仕事をしていると、色々な場面で現場の方から「新しい法改正ってどういう趣旨なの?」「その詳細はどういうこと?」などと聞かれることがあります。そんな時、四角四面に知識を並べて答えるのではなく、要点を自分の言葉で20~30秒で伝えられるように準備をしておくことが一つです。現場の方への解りやすい情報提供だけでなく、自身の理解を整理する意味もあります。
 もう一つはある仕事を新しく担当することになったら、社内で第一人者になれるぐらいに徹底的に調査をして、業務への準備をしておくことです。過去に担当した業務に詳しくなければ現場からも頼られなくなってしまいます。都度のしっかりとした準備が大切だと考えています。

◆ご自身のキャリアを振り返ってみて、人事として大切にしてきたことは
 何でしょうか?

久保:フットワークを軽くして、何かあればすぐに動き、現場の本人に会いに行くことです。机の上だけで考えないように、できれば対面で話すように心掛けてきました。
 例えば普段は、毎月の職場巡視や産業医面談などで、定期的に現場の職員とコミュニケーションをする機会を作っています。そのときに「元気ですか?」「暑いけど体調は大丈夫?」と声を掛けたり、責任者には「運営の調子はどうですか?」と尋ねたり、という具合に一言でも会話をするようにしています。
 そうしてお互いの距離を縮めていけば、率直に意見をぶつけ合えるようになり、「現場の悩みにはどのような支援ができるだろうか」など本音ベースの話し合いができるようになります。自分の部下にも、机にかじりついていないで日ごろから積極的に現場に行くことを心掛けるように指導しています。
 自分がまだ現場にいたころ、どう対応していいかわからなく困っていたとき、当時の人事の責任者が助けに来てくれてとてもうれしかった経験がありました。人事に異動になってからも、そのことがずっと心に残っていて、今度は自分が人事部として現場の役に立てるような存在になろうと思い、そうした意味からも「フットワークを軽くする」ということを常に心掛けています。


夏井
:私が大事だと思うのは、「人事の常識」と「社員の常識」をすり合わせることです。
 「常識」というものは、それぞれの立場・見方で異なるだけでなく、時代とともに変化していきます。従来からある制度について現時点で社員はどう感じているのだろう、過去からの社内の常識とは何だろう、逆に社外の常識はどうなのだろう、今後はどうなっていくのだろう、と常に問い直すようにしています。
 また、私たち人事は自分たちの「常識」を、現場でも通用する「常識」だと思ってしまうことがあります。人事にとっては当たり前のことでも、現場にとっては思いもよらないことは多くありますので、普段から相手の立場に想いを巡らすように気をつけています。
 例えば現場の所属長にヒアリングをする際に、「人事は何故こんな話をしてくるのか」と相手が疑問に思うケースもあると思います。そのようなことがないよう、背景などを説明して前提条件をはっきりさせ、共通の認識を持つことが必要です。日ごろのちょっとした問い合わせにも「何故こうなのか」という理由を粘り強く丁寧に伝えていくことが大事と感じています。
 なお、普段我々人事が取り扱う情報は容易に外に出せないものが多いため、外に発信していくべき情報をあまり峻別していない気がします。
 例えば制度改定の説明会などをした場合に、制度の良い面だけを説明されても社員は納得できなくて当たり前です。発信すべき情報を整理して、デメリットも明らかにした上で、こういうメリットを実現するために実行すると両面から説明し、社員に理解してもらうことが大切なのだと思います。

――1時間半にわたって、お二方には人事の現場で得てきた実感を、経験談を交えながら、赤裸々に語っていただきました。最後に担当講師の松下さんにも「人事として大事にしていること」をお伺いし、特別座談会の締めくくりとなりました。


松下
:阪神淡路大震災が起こった95年、私はまだ人事ではなく営業を担当していました。
 震災直後の被災地で何が起こっていたかと言うと、人との関わり方が、それまでとは大きく変わってしまったのです。平常時にはいいことを言っていたおばちゃんが、われ先にとおにぎりを持って行ってしまったりだとか、無愛想な印象のおっちゃんがトイレを率先して洗っていたりだとか、死を身近に感じる極限状態の中で、エゴを超えた人間の本質が垣間見えました。
 それから5年ほど後、震災対策の特集を組んだ社内報に、人事部の先輩Kさんの寄稿記事が載っていたのです。Kさんは当時西宮で被災された方で、労務行政編「日本人事」にも登場するような人事の大先輩です。
 そこには「どこまでしたって人間は大震災にかなわない。自然をコントロールして、逆らったりすることはできない。でも、もし唯一事前に準備できるものがあるとすれば、それは『人徳』である」と書いてありました。
 私は人事というものは、非常事態の瞬間にこそ、社員全員が人として間違わない行動を取れるように、たとえきれいごとであっても発信し続けていかなければいけないと思っています。それがすぐに実を結ぶことはなくても、日常を切り裂くような極限状態に見舞われたとき、そのとき初めて人事がやってきたことが本当に問われるのだと思うのです。
 私が人事として大切にしているものは、言葉にすると薄っぺらいのかもしれませんが「人徳」です。

人事部門に初めて配属された皆さんにお薦めします
人事担当者が学んでおきたい『人事労務入門講座』
 ~人事部門に配属されたら、まずこの講座!~

 開催日: 2013年11月11日(月)~ 11月13日(水)
 講 師: 深瀬 勝範 氏
     (Fフロンティア株式会社 代表取締役 人事コンサルタント/社会保険労務士)
   セミナーの詳細と受講お申し込みはこちらから
   ※お問い合わせ先: 株式会社労務行政 労政時報カレッジ事務局
    〒106-0044 東京都港区東麻布1-4-2朗生ビル TELL:03-5575-3305 FAX:03-3584-5141

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