コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2011.09.28]

フレームワークの定番 マッキンゼーの「7Sモデル」:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(12)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(12)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

企業の経営戦略の実現性を判断し、組織全体の整合性を測るためのチェックリストとして、コンサルティング会社のマッキンゼー社が提唱した「7Sモデル」が役に立ちます。7Sとは、組織を構成する7つの要素の頭文字をとったものです。
「7Sモデル」はビジネスフレームワークの定番中の定番なので、ぜひ理解しておきましょう。

  組織を構成する7つのSは「ハードのS」「ソフトのS」に分けられます。「ハードのS」とは組織の構造に関係するもの、「ソフトのS」とは人に関係するものです。整理すると、以下のようになります。

ハードのS(組織の構造に関するもの)

(1)戦略(Strategy):競争優位を維持するための事業の方向性、方策

(2)組織(Structure):組織の形態、構造

(3)システム(System):人事評価制度、報酬制度、会計制度など組織内諸制度

ソフトのS(人に関するもの)

(4)価値観(Shared Value):社員が共有する会社の価値観

(5)スキル(Skill):組織としての能力。営業力、技術力、マーケティング力など

(6)人材(Staff):社員や経営者の特性

(7)スタイル(Style):意思決定の方法、経営スタイル

このうち、(4)の価値観(Shared Value)は「ハードのS」と「ソフトのS」を繋ぐものとして特に重要なものです。

(クリックして拡大)

■「ソフトのS」を変えるのは難しい

一般的に、「ハードのS」は経営者の意思や企業努力で構築、変更が容易ですが、「ソフトのS」は醸成・変更に時間がかかり、難しいと言われています。なぜならば、「ソフトのS」には人の価値観や感情がかかわり、慣性(現在の状態を保とうとする力、変化に抵抗しようとする力)の要素が強いからです。

例えば、経営戦略や組織構造、社内制度などは、経営者の意思で短期間に変えることができます。しかし、それを実行するための社員のスキルや考え方を変えるには時間がかかります。

経営戦略や制度の見直しに当たっては、その違いを十分考慮に入れて行う必要があります。「人事制度をドラスティックな成果主義型に見直したものの、社員の理解、支持が得られずに運用が立ち行かない」――という事態などは、典型的な失敗例と言えます。

■強い企業は7つのSの整合性がとれている

7つのSは、個別にではなく、全体の整合性をとりながら考えるべきものです。それぞれのSは単独で機能しているのではなく、相互に連動して、有機的に動いているのです。

強い企業は7つのSのバランスがとれていて、整合性が保たれています。

■「7Sモデル」の使い方

「7Sモデルは」は、さまざまな場面で組織全体を分析する際に使われます。代表的な例としては、自社の事業分析をしたり、新規参入の可能性を判断したりするために使用されます。その時は、自社だけでなく競合企業の「7S」と併せて比較、分析してください。

また、他社との事業提携を考える際に、複数の候補先企業を比較分析し、選定するためのチェックリストとしても使うことができます。

レッスン!:「7Sモデル」を好きなスポーツチームに適用してみよう

「7Sモデル」は、企業に限らず、地方自治体、学校、医療機関、スポーツチームなどさまざまな組織に適用できます。
ビジネス思考、フレームワークを理解、習得するには「習うより慣れろ」です。
あなたが好きなスポーツチームに当てはめて練習してみてはいかがでしょう?

例えばプロ野球が好きな人は、応援しているチームとライバルチーム、首位のチームと下位のチームなどを「7Sモデル」を使って比較、分析してみるのです。

野球チームという組織に「7Sモデル」を当てはめて、チームの戦略、監督・コーチ・選手の組織、チーム全体の価値観、戦うスタイル、投手力・攻撃力・守備力、個々の選手の能力、などを分析してチーム強化の策などを考えてみると面白いのではないでしょうか。

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