コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2011.09.14]

目標を確実に達成する人は「SMARTの原則」で目標を設定している!:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(11)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(11)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

私たちは職場や日常生活で、小さなものから、大きなものまで様々な目標を立てて、達成に向けて活動をします。一つひとつ目標を確実に達成していく人もいれば、なかなか達成できない人もいます。では、両者の一番の違いはなんでしょうか?
それは、目標設定力です。もちろん、意志の強さや能力も目標達成には大切ですが、適切に目標を設定する力が目標達成の確度と速度を大きく左右するのです。

「SMARTの原則」というものがあります。適切な目標を設定するうえでの五つの要件の頭文字(S・M・A・R・T)をとったものです。

多くの企業で目標管理制度(MBO:Management By Objectives)が運用されていますが、「SMARTの原則」を知っていると、自分や部下の目標をチェックするときにとても役立ちます。

■「SMARTの原則」とは

適切な目標設定をするための「SMARTの原則」

pecific:テーマは具体的か?

easurable:測定可能か?

ttainable:達成可能なレベルか?

esult-based:「成果」を重視しているか?

ime-oriented:期限が明確か?

五つの要件を一つずつ説明していきましょう。

Specific:具体的であること

目標は具体的な表現で示される必要があります。目標が具体的であれば、実現するための方法や計画を考えやすくなります。

Measurable:測定可能であること

目標は測定可能である必要があります。測定可能でないと進捗管理や達成度の評価が難しくなります。そのためにできるだけ数値化します。どうしても数値化が難しいものは「達成された状態」を具体的な言葉で表現します。

Attainable:達成可能であること

目標は適正な難易度のものでなければなりません。とても達成できない夢物語のような目標でも、容易に達成可能な簡単すぎる目標でもいけません。適度なチャレンジを伴う達成可能なものが望ましいのです。

Result-based:「成果」を重視していること

目標は「成果」を重視していなければなりません。何を成し遂げるためなのか?――を常に意識して目標を設定しましょう。

Time-oriented(期限が明確であること)

目標は達成すべき期限やスケジュールが明確でなければなりません。期限が明確であれば達成のため計画策定、進捗管理が行いやすくなります。

■ショートケース:部下A子さんの能力開発目標をチェック、修正する

あなたが上司の立場で部下A子さんの能力開発目標をチェック、修正するというケースで考えてみましょう。

部下のA子さんに「今年度の能力開発目標は何ですか?」と尋ねると、「英語力を高めたいです。一生懸命頑張ります!」とだけ言いました。これでは「SMARTの原則」の要件を満たしていません。

面談を通して、あなたがA子さんの目標を“SMARTなもの”に修正してあげてください。

Specific:具体的であること

「英語力を高めたい」だけではまったく具体的ではありませんね。目標は「半年後のTOEICで600以上のスコアをとる」「英語で日常の会話を支障なく行える」など具体的な表現にする必要があります。

Measurable:測定可能であること

目標を立てる際に「とても」「大幅に」「一所懸命」などの定性的な表現を使うと、測定が難しくなります。目標は数値化すると測定しやすくなるのです。

Specific」の項でも述べた「TOEICスコア600以上」など目標の結果を定量化する以外に、「毎日の通勤時に30分英会話のCDを聞く」「毎週1回、英会話スクールに通う」などプロセスを測定可能な(=定量的な)表現で設定することも大切です。

Attainable:達成可能であること

目標は難しすぎても、簡単すぎても達成のためのモチベーションは高まりません。「現在のTOEICスコアを30アップ」ではやさしすぎるでしょうし、あまり英語が得意でない人が「英語で複雑な商談、交渉を行えるようになる」では難しすぎるでしょう。人のモチベーションが最も高まるのは、成功する可能性が50%くらいの難易度のときであると言われています。

Result-based:「成果」を重視していること

「英語を使って簡単なメールのやり取りを行えるようになる」「英語の資料を読みこなすことができる」など、英語力を高めることによって生み出される成果を明確にしましょう。

Time-oriented:期限があること

期限がない目標や、「いつか」、「できるだけ早く」など曖昧な期限の目標は、たいてい達成されません。「『いつか』と『おばけ』は出たためしがない」という言葉もあります。「10月上旬までに」は「10月10日までに」、「週明けに」は「月曜日の午前10時に」など、さらに具体化するクセをつけましょう。

また、達成の期限だけでなく、「9月15日から始める」という着手する時期の期限や、「3カ月後のTOEICの模擬試験でスコア550」などの途中経過を測定する時点の期限を設定することも有効です。

繰り返しますが、目標を確実に達成している人ほど「目標設定力」が高いのです。あなたも、仕事や生活の日々の目標を「SMARTの原則」で確認する習慣をつけて、目標設定力を高めてください。

チェックリストとして手帳に貼っておいたり、ミーティングの時にホワイトボードの隅に書いて参加者で共有しておくと、目標設定時のモレが少なくなりますよ。

 

【例題】実際に「SMARTの原則」を使ってみましょう!

あなたの同僚Bさんは、会社の定期健診で医者から太りすぎ――いわゆるメタボ――を指摘されました。Bさんは「食事や運動などの生活習慣を改善して、少しずつ痩せます」と目標を設定しました。

「SMARTの原則」を使って、Bさんが確実に痩せられるように目標設定のアドバイスを考えてみてください。

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