コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2011.07.06]

簡単そうで難しい!?「自由」に発想するクリエイティブ・シンキング:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(6)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(6)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

前回のコラムでは、クリエイティブ・シンキング(創造的思考)とロジカル・シンキング(論理的思考)を比較して、2つの思考法の概要を説明しました。
自由に創造的に発想するクリエイティブ・シンキング。ビジネスのさまざまなシーンで求められる思考法ですが、子どものころはできたのに、大人になるにつれて難しくなります。それはなぜでしょうか?
自分の中に蓄積された常識やさまざまな経験が自由に発想することを制限してしまうからです。その縛りを取り払って、自由に創造的に考えるためのツールとヒントを説明します。

「クリエイティブに考える」というと芸術家、クリエイターなど一部の人たちが持って生まれた天性の才能のように考える人がいるかもしれません。しかし、これはツールとヒントを知り、繰り返し練習すれば習得可能なテクニックです。

年齢を重ねるにつれて人は多くの経験を積み、常識、先入観、固定観念などを持つようになります。社会の常識、業界の常識、社内の常識、個人の常識。さまざまな成功体験、失敗体験。それらが、思考に枠をはめて自由に発想することを阻害します。

しかし、ビジネスのシーンでは問題の解決策を考えたり、新しいアイデアを考えたりする際にクリエイティブ・シンキングが求められます。

今回は、自由に柔軟に考えるためのヒント、ツールをご紹介しましょう。思考法というと難しいもののように思われてしまうかもしれませんが、クリエイティブ・シンキングは「楽しく」考えるものです。これを習得すれば、あなたも自由に、楽しく、再び子どものように柔軟な発想で考えることができるようになるでしょう。

■ 前提、制約を取り払ってゼロから考えるゼロベース思考

最初に紹介するのは「ゼロベース思考」です。これは文字どおり、すべての制約条件を外してまったくの「無」(ゼロ)の状態から考えることです。

例えば、自分の部署内の業務改善を行うことになったとします。そのような場合、どうしても従来の仕事の進め方、人の役割分担、使っている帳票、予算などを前提に考えてしまいがちです。でも、一度それらを全部取り払ってゼロベースでアイデアを出してみましょう。

そのためのヒントを2つ示します。

1つは、目的、成果から考えること。業務改善する仕事は「そもそも何のために行われているのか?」、「何を目的、成果とした業務なのか?」、「その仕事がなくなると、だれがどのように困るのか?」などの視点から発想するとよいでしょう。

もう1つは、今のやり方を変える、というよりも「新しく仕事のやり方を作る」という視点で考えることです。家作りにたとえて説明するならば、今ある家を増改築するよりも、まっさらな土地に新しく家を建てると考えたほうがはるかに自由に柔軟に考えられるはずです。

製造業の現場などでは「5%のコスト削減より、30%のコスト削減のほうがやさしい」と言われることがあります。5%のコスト削減は従来のやり方の延長で考えがちですが、30%となると従来のやり方を捨て去ってゼロから考えなければ難しいからです。

■アイデア出しに便利なオズボーンのチェックリスト

さまざまな場面で使えるクリエイティブ・シンキングのツールを1つごを紹介しましょう。オズボーンのチェックリストというものです。

ブレイン・ストーミングを考えたアレックス・F・オズボーン氏が作ったもので、あらかじめ準備した9つのチェックリストに答えることでアイデアを発想する方法です。

1.転用 新しい使い道は? 他分野へ適用はないか?

2.応用 似たものはないか? 何かの真似はできないか?

3.変更 意味、色、働き、音、匂い、様式、型を変えられないか?

4.拡大 より大きく、強く、高く、長く、厚くできないか? 何か増やせないか? 時間や頻度など変えられないか?

5.縮小 より小さく、軽く、弱く、短くできないか? 省略や分割できないか? 何か減らすことができないか?

6.代用 人を、物を、材料を、素材を、製法を、動力を、場所を代用できないか?

7.再利用 要素を、型を、配置を、順序を、因果を、ペースを変えたりできないか?

8.逆転 反転、前後転、左右転、上下転、順番転、役割など転換してみたらどうか?

9.結合 合体したら?ブレンドしてみたら?ユニットや目的を組み合わせたら?

このリストを使って、新商品・新サービスや、仕事の問題などを考えてみてください。次々といろいろなアイデアが出てくるのではないでしょうか。

■「三人寄れば文殊の知恵」ブレストをしよう!

次に、複数の人間でアイデア出しをするブレイン・ストーミング(「ブレスト」と略されて言われることが多い)について説明しましょう。「三人寄れば文殊の知恵」と言われるように、1人で考えるよりも、複数の人が集まって考えたほうがさまざまなアイデアが生まれます。これは数だけの問題ではなく、他の人の考えに触発されて自分の中に新たな考えが生まれる、という効果があるからです。

ブレイン・ストーミングは、ブレイン(Brain:脳)とストーム(Storm:嵐、暴風)を組み合わせた造語で「脳を嵐のように激しく活動させる」というような意味合いです。

ブレイン・ストーミングを成功させるためのガイドラインを紹介します。

1.アイデアの質より量を重視する

2.他人のアイデアを批評、批判しない

3.突飛なアイデア大歓迎

4.参加者全員のアイデアを公平に取り扱う

5.他人の意見に便乗する(他人の意見を膨らませたり、変形させたりする)

このガイドラインを参考にして、部署内などでぜひブレストを実施してやってみてください!

個人で考えるにせよ、グループでブレイン・ストーミングをするにせよ、クリエイティブ・シンキングでもう1つ大切なことがあります。それは、“リラックスして考える”ということです。これは体と気持ちの両方に言えることで、そのためにはリラックスできる雰囲気、環境で行うことを心掛けましょう。

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