コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2011.06.22]

「クリエイティブ・シンキング」と「ロジカル・シンキング」どちらが大切か?:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(5)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(5)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

仕事を進めていくうえでさまざまな場面で遭遇する問題。その問題を解決するには「クリエイティブ・シンキング(創造的思考)」と「ロジカル・シンキング(論理的思考)」が求められます。二つの思考法はどのようなもので、どのような関係にあり、どちらが大切なのでしょうか?

クリエイティブ・シンキング、ロジカル・シンキングという言葉を見聞きしたことのある人は多いでしょう。書店のビジネス書コーナーに行けば、関連する書籍が幾つも並んでいます。

■クリエイティブ・シンキングとは?

クリエイティブ・シンキングとは、文字どおり「創造的(クリエイティブ)」に考えることで、枠組みや常識にとらわれず、自由に発想する思考法です。新しい企画やアイデアなど自由にたくさん発想する時に使い、拡散思考と呼ばれます。

クリエイティブ・シンキングには次のようなものがあります。

・発想法(「SCAMPER」、「オズボーンのチェックリスト」など)
・ブレインストーミング
・ゼロベース思考
・そもそも思考  など。

※それぞれについては、今後の連載で説明していきます。

■ロジカル・シンキングとは

ロジカル・シンキングとは、「論理的(ロジカル)」に考えることで、事象を「構造的に」「整理して」論理的に破綻がないように(=整合性がとれているように)とらえる思考法です。拡散思考で出されたアイデアを整理したり、絞り込んだりする時に使い、収束思考と呼ばれます。

ロジカル・シンキングには次のようなものがあります。

・ロジックツリー
・MECE(モレなくダブリなく)
・ゴールからの逆算思考
・プロコンリスト(プロコン分析)  など。

※それぞれについては、今後の連載で説明していきます。

「クリエイティブ・シンキング」と「ロジカル・シンキング」のどちらが大切ですか? どちらがより重要ですか?」という質問を時々受けることがあります。

あなたはどちらが大切だと思いますか?

■両方使いこなせてこそ、一人前のビジネスパーソン

答えは「どちらも大切」です。片方だけでは不十分で、クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングの両方を使いこなすことで、十分な効果を発揮することができるのです。

前々回、前回の2回にわたって「問題解決」について説明しました。問題の原因と解決策を考えるプロセスを例に、クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングの使い方を説明していきましょう。

・複数の原因・要因を洗い出す場面はクリエイティブ・シンキング

まず、①問題を発生させている原因を考える時、最初に思いついた原因に飛びつかずに、複数の原因をできるだけ多く洗い出しましょう。この場面ではクリエイティブ・シンキングを用います。この時点ではモレがあってもダブリがあってもかまいません。とにかくたくさん出しましょう。複数人で付箋紙、ホワイトボードを使いながら行うブレインストーミングなどが有効です。

・洗い出した原因・要因を絞り込んでいく場合はロジカル・シンキング

そして、②洗い出した多くの原因を整理し、絞り込んで主要因を特定するのには、ロジカル・シンキングを使います。洗い出した原因にモレやダブリがないかを確認し、整理し、評価&優先順位付けを行い、主要因を特定するのです。

次に解決策を考えるプロセスですが、まず、③主要因を解決するための方法を考えます。この場合も、最初に思いついた解決策にすぐに飛びつくことなく、できるだけ多くの解決策を考えます。

その後、④洗い出した解決策を整理し、実行すべき解決策を絞り込みます。
この①~④までのプロセスを図解したものが[図表1]です。

図表1 問題の原因と解決策を考える時の2つの思考法の使い分け

このプロセスを考えれば、クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングのどちらも大切で、両思考のバランスのとれたビジネスパーソンが優れた問題解決者になれるということがお解かりになるでしょう。

図表2 クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキングの比較キーワード

最後に、皆さんに強調してお伝えしたいことは、クリエイティブ・シンキング、ロジカル・シンキングともに、理解と訓練で向上するスキルである――ということです。

「彼のアイデアはいつもクリエイティブだね」「あの人はとても論理的な思考ができる人だ」などと言う時、それらは持って生まれた天性の才能だと考えられる傾向が強くあります。

しかし、どちらの思考法も理解と訓練によって習得、向上が可能な後天的スキルです。

このことをきちんと理解していないと、二つの思考を高めようという意識を持たなかったり、高めようとする努力をあきらめたりしてしまいます。それはとてももったいないことだと思うのです。

(おまけ)以下は、日常でクリエイティブ・シンキング、ロジカル・シンキングを使う練習問題です。休み時間、通勤時間などにチャレンジしてみてください。

Q1.
「えんぴつ」の用途を、「文字を書く」という本来の用途以外に30個(難しければ、最初は20個)考えてみてください。制限時間は10分です(えんぴつ以外にも、れんが、つまよう枝、空のペットボトル――などで考えてみてください)

Q2.
あなたには、直したいと思いながら、ずっと直せない習慣はありますか? もしあれば、その原因を5つ以上、それぞれの原因の解決策を各5つ以上考えてみてください。原因が5つあれば、解決策は全部で25個以上になります。制限時間は30分です。

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