労働基準法の基礎知識
第6章 賃金のとらえ方と基本ルール
[2012.03.01]

月60時間を超える法定時間外労働の割増賃金


5割以上の割増率が適用される

 法定労働時間(1週40時間、1日8時間)を超える時間外労働(法定時間外労働)については、2割5分以上の割増賃金を支払わなければなりませんが、2010年4月から、1カ月60時間を超える法定時間外労働に対しては、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないことになりました(一定規模の中小企業には、当分の間、適用が猶予されます)。
 この1カ月60時間を超える法定時間外労働の算定には、法定休日(たとえば日曜日)に行った労働は含まれませんが、法定外休日(たとえば土曜日)に行った法定時間外労働は含まれます。なお、深夜労働の時間帯に1カ月60時間を超える法定時間外労働を行わせた場合、その割増賃金率は7割5分以上(深夜割増2割5分以上+時間外割増5割以上)です。

新しくできた代替休暇制度

 同じく2010年4月から、1カ月60時間を超える法定時間外労働時間に対する引き上げ分の割増賃金のかわりに、有給の休暇(代替休暇)を与えることができるようになりました。この制度を導入するには、過半数組合(ない場合には過半数代表者)との間で代替休暇の時間数の具体的な算定方法などを定める必要がありますが、その場合であっても、個々の労働者が実際に代替休暇を取得するか否かは労働者の意思により決定されます。

●代替休暇の時間数の具体的な算定方法

 代替休暇の時間数=(1カ月の法定時間外労働時間数-60)×換算率

※換算率=代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率-代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率


 一例をあげると、代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率が1.50、代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率が1.30としたときの法定時間外労働時間が80時間の場合、 
代替休暇の時間数=(80(時間)-60)×0.20(換算率)=4時間となり、
代替休暇の時間数は4時間と計算できます。

1カ月の法定時間外労働が60時間を超える場合

代替休暇



この解説は『初任者・職場管理者のための労働基準法の本 第二版』より抜粋しました。
労務行政研究所:編 A5 208頁 1,851円
(URL:http://www.rosei.jp/products/detail.php?item_no=819
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